【だーすーさんと哲学③】ポスト構造主義

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ポスト構造主義というのは、構造主義のポスト、構造主義の次の理論という事で、1900年頃のフランスの現代哲学の理論です。これは私が大学生の時の専門分野だったので、僕の考え方の非常に根幹の部分と言えます。
構造主義の次の段階ということなんで、まず「構造主義って何か」って言うと、合理的で論理的なものっていうのは、構造主義なんですよね。
「構造はこういう風になってます、って説明できます」というのが、構造主義なんだけど、僕が学んできたポスト構造主義は「構造や理屈の先にあるものって、じゃあ何なの?」みたいなことをやっていくものでした。
例えば何かと言うと、それは感覚的なものであったり、感情的なものであったりとか、そういう所に行きつく。一例で良く出てくるのは、小説の冒頭でよくある
「あの晴れた夏の日」
っていう言葉だけの中に、いろんな人間のイメージが含まれていて、入道雲だとか、青い空とか、人によっては、夕立とか・・・。そういう「あの」っていう指示語が、何を指している指示語でもないのに、イメージをさせるということがあるよねって。
「あの」っていう指示語は、前に文脈が出てきたから、意味を成すっていうのが構造主義的な考え方なんだけど、でも小説の、一番最初の第1フレーズ目で、「あの晴れた夏の日」みたいな、文脈として、構造的ではないのに、いきなり現れる指示語っていうのがあったりするっていうのが、ポスト構造主義の中のイメージだったりする、そんなことを学んでいる学問でした。

それが何の意味があるかって言うと、今までは「原因をたどっていけば、何か一つの原因にたどり着いて、その原因を解決すれば、物事は良くなる」という風に思われていたんだけど。今の世の中は、原因がいくつもあって、それぞれの原因が絡み合っていて、一つの原因を潰したって、問題は解決しないっていう世の中なんだよね。
という事は、構造主義的な一つ正解にたどりつくことができる世の中っていうよりは、なんかごちゃごちゃっと複数の答えがあったり、複数の原因があったり、みたいなことが起こり得るんで、全然構造的というよりは、ぐちゃぐちゃだよね、みたいな世の中です。
インターネットのつながりっていうのは、基本的にはそう。それに対して昔の考え方は、家系図みたいにたどっていくと祖先がいる、みたいな構造的な考え方でした。今の人間関係って、どっちかというとインターネットで場所を問わずに、いきなり関係ない人ともつながれる。「どこがスタートか」って言われると、「それぞれ全員スタートですけど」みたいな。そんなつながり方、人間の関わり方とかっていうのがあるので、そんなところで、ポスト構造主義っていうのは、僕は人材業の中で、人のつながりとつなげて考えています。
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Q.そもそも大学の時点で、何でポスト構造主義について着目したんですか?
大学進学の段階で、元々は脳神経外科になりたいっていうのがあったんだけど、学力がが圧倒的に足りな過ぎて、それを諦めたんですね。諦めたというか、そもそも無理だった。であれば、中学校の時から好きだった哲学を専門的にやろうと思っていったんだけど。そこから、ポスト構造主義になったのは、すごく偶然で、自分の入った研究室の先生がたまたまその専門だったからという。ただそれだけ。ただ、学んでいく中で、比較的自分は合理的な考えをするタイプだと思っていたんだけども、一方で「合理的な考えの先には感情が結構あるよな」ってなんとなく思っていたので、偶然の出会いの中で「この本っていうか、この研究の中でそういうこと言ってんじゃん!」みたいな納得感はあって、ハマったと言うか、好きになりました。
まとめ
ポスト構造主義とは論理や構造の先にあるものを見極めようとする
人と人のつながり方も構造主義的つながりからポスト構造主義的つながりに
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