【だーすーさんと哲学①】哲学とは
更新日:2021年2月21日

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私の大学の専攻が文学部人文学科哲学人間学コースっていう専攻だったんだけど、
その中で、私自身はフランスの現代哲学っていうのを専門にしていました。
哲学が何の役に立つのかっていう議論をし始める人が非常に多いので、その観点自体が間違っているという風な話をしたいと思います。

哲学とは何かといった時に、哲学というのは学問の根本であるから、
「何故か?」っていう、疑問を投げかけるというのが、哲学の本髄なんですね。
それ以外の学問というのは、すべて「答えを見つけ出す」ことが、目的とされています。
数学にしても、物理学にしても、何か一つの理論だったりとか、答え・根本を見つけ出そうというのが、他の学問なんだけど、
哲学だけは、唯一すべての学問の根底にある概念のようなもので、疑問に思うというスタンスそのものなんだよね。
大学の中の科目や専攻として哲学があるから、他の学問と同じように思われがちなだけで、
哲学というのは、スタンスというか、前提というか、疑問に思う仮説を立てて、検証して、その時にどう思ったかって、自分の心の中で内省をするというようなことが、まず哲学の基礎になる。
だから、「何故生きるのか」とか、答えがないものに対して、唯一学問の中で取り組むことができるのが哲学です。
よく心理学と哲学って、似ていると思われがちなんだけど、心理学というのは、あくまでも統計学の精神学になってくるから、答えとか理論を見つけるんだよね。

だから、夢占いというのが出たりとか、最近だといろんなビジネスのときにも、心理学って使われるんだけど、
大抵はおおくの被験者からデータを収集して、統計学に基づいて、人間というのはこういう傾向があるから、きっとこういう心の動きをしているに違いないと答えをつけるのが、心理学。
だけど、哲学は「そういう風にあるかもしれないけど、違う考えもあるかもね?」みたいな。
「それが絶対と言えるのはなんでだろうね?」って、問いかけるところで終わっていて、
そこに答えを見つけるということを目的としていない。

だから、もちろん哲学によって考え始めたどっかの誰かが、何かしらで、持論を展開していることは、あるかもしれないけれど、
「人間ってこうだよね」とかっていうのも、一概に答えを見つけることが哲学ではありません。
こう考えることは、できるかもしれないというような可能性で留めているっていうのが、哲学の形になります。

Q.自分はあんまりモヤっとした状態が好きじゃんないんですけど、哲学をやってる人は、そのモヤっとしたっていうか、問いかけて満足という感じなんですか?
そうだね、哲学をやってる人達は、「あーでもない、こーでもない」と言うのが、楽しいのであって、そこに答えは、特に見つけ出さない。求めない。
Q.だったら、いくらでもできるくないですか?
いくらでもできるよ!
だから楽しいんじゃん。
「人生って、そうじゃん?」っていう話なんだよね。
「答えって何だっけ?」「正しい生き方って、じゃあその通りに生きれば、幸せなんでしたっけ?」って、いった時に、
「人生って答えがないものなのに、むしろ世の中に、答えがないものが多いはずなのに、答えを見つけ出すということに、何の意味があるんだっけ?」ということを考えている。

物理学にしても、いろんな科学だとか、歴史にしても、今までそれが事実だと言われていて、教科書にすら、載っていたことが覆されることが、たくさんあるんだよね。
といった時に、正しさを求めたり、答えを求めても、その答えが何故あっているのか、ということが、誰も分からない、もしくは、後日それが変わるかもしれない時代、
答えと言われてきたものが変わってきている時代の中で、答えを見つけ出すことに重きを置く。
その時の答えだったらいいけど、「それが絶対的な真理じゃない中で、真理を見つけ出すことって、なんか意味があるんだっけ?」みたいなことを考えている。
まとめ
哲学とは全ての学問の根本となる「何故か?」と問うスタンスそのものである
哲学は何の役に立つのか?という議論がナンセンス
絶対的な答えのない時代や人生の中で問いを続けていくのが哲学
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