ざくっとティール組織
更新日:2019年2月1日

以前、”ウッチャンから学ぶリーダーシップ(別記事)”で少し登場したティール組織。
このティール組織というものを、この短い記事で説明するのは非常に難しいので、
多少の語弊を恐れずにまとめてざっくりと話をします。
ティール組織の一番の特徴は、基本的には横の繋がりだけの組織ということです。
昔のような日本の、トップに社長がいて副社長、部長、課長が続く、という段階的な組織ではなくて、
社長とか経営者も"いち役割"であって、
上下関係じゃない、という考え方がまずティール組織の根底にあります。
さらに特徴としてありうるのは、
ティール組織というのは、ついたり離れたりがしやすい組織なんですね。
だから、必ずしもその会社の社員じゃなくても、プロジェクトごとに集まる組織でもいい。

1人の人が指示を全員に出すというよりは、
相手ができないことをお互い助け合いながら
「こっちはあなたが得意だからやってね」という組織です。
この人が何の役割というのが非常に明確な組織づくりというものができると、
「ティール組織に近づいた」というふうに言われています。
日本でも、元KDDIの稲森さんという非常に有名で素晴らしい経営者の方がいて、たくさん本も出されているんですけれど、
その人が言っている、「アメーバ経営」という言い方と非常に似ている考え方だな、と思っています。
リンク:アメーバ経営-稲盛和夫OFFICIAL CITE-京セラ
そのアメーバ経営もティール組織と同じで、上下の関わりというよりは、なるべく小さなまとまりの中で、お互いが助け合って、強みを活かしながら、1つの問題に取り組んでいく、みたいなやり方です。
なるべく、現場・現地。
日本型でいうところの、部下に権限をもたせ、それぞれの組織が独立した組織のように決裁権を持って、早い決断と強みを活かした特性で動いていく、
というのがティール組織とかアメーバ経営の、基本的な考え方です。

ティール組織やアメーバ経営を考えると、例えばこれからの働き方として、
必ずしもその会社に正社員として入るということではなくて、
プロジェクト単位のチームがもっと増えていく、という見方ができます。
外部委託のプロジェクトマネージャーがいて、
そこにデザイナーや、ウェブ担当、営業担当、雑務処理をする庶務事務の方がいる、
というような形です。
プロジェクトごとに集まって、終わったら解散して、また別のプロジェクトが始まる、みたいな形。
そういう、会社自体が雇用をするということに対してのリスクを減らしながら、
1人1人が自分の仕事を、何の仕事をするかということに重点が置かれた社会。
言いかえれば、自分の強みを活かして働けるようになる社会みたいなものが今後できてきて、
複業だとか、フリーランスが増えて、会社の看板じゃなくて、自分の名前の看板で仕事をするみたいな、
そういう人が増えるといいな、というふうには思ったりします。
なので、このティール組織という考え方を、なるべく秋田の経営者だったり、
行政も含めて、昔からの体質の組織の人たちには知ってもらいたいな、と思います。
Q:既存の日本古来の体系がある中で、ティール組織の良いところと、悪いところって、どんなところなんでしょうか?
良いところというのは、スピード感が早いというところですね。
これから時代がどんどん移り変わっていく中で、プロジェクトの内容も、
スタートした段階よりも変わっていかなきゃいけない、という意識が必要とされています。
それが大企業だと、企画をしてから、マーケティングをして、商品化するという段階をふまなきゃいけないので時間がかかりすぎてしまうんですね。
そうするとアンケートや意識調査など正しいマーケティングをしても、
流行の変化によって販売時にはニーズが変わってしまっているかもしれません。
悪いところというか、デメリットは自主的な人達が集まっている組織であるということが前提になっている点です。
ティール組織は上下関係の組織ではなくて有機的な繋がり(ついたりはなれたりする繋がり)による組織なので、
一人一人が判断をする権限を持つことでスピード感を高めます。
だから指示待ち人間だったり、仮説立てができない人は判断もできないため、
ティール組織には向かないということになります。
(ただ、こういった能力は後天的に身に付けることが出来ます。)
まとめ
ティール組織は横の繋がりからできている
ティール組織は役割分担が明確
ティール組織からフリーランスや副業など多様な働き方を受け入れる社会の可能性が見える
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「何か始めれば記念日」
株式会社あきた総研 代表取締役 須田紘彬
キャリアメンタリスト
地域コーディネーター
就職相談/人材確保/働き方改革/ダイバーシティ/選択肢/決断